本屋の店頭で、たまたま「倫理21 (平凡社ライブラリー)」を手に取り、拾い読みしました。とても読みやすい。講演記録の体裁をとっていますからね。
この本、実はハードカバーの単行本(「倫理21」)が出た時点で購読したはずでした。
ところが、本屋の店頭で手に取った文章の「形」と「意味」は、まったく未知なるもの。すべて忘れてしまっているんですね。
完全なる忘却。完璧なる記憶消去。驚いてしまいました。
自宅に戻り、ゴミの山と化している古本・雑誌の集積の前に蹲り、黙々と「倫理21」を探しました。
やっと見つけた私の「倫理21」は、白い表紙が少し黄ばんでいて、明らかに読み終えた形跡があります。
読み始めました。たったいま初めて手に取ったように「新鮮」です。
「ああ、思い出した……」などという瞬間は、ついぞ訪れることもなく「あとがき」にまで至りました。
「 トランスクリティーク ― カントとマルクス」、「世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書)」、「世界史の構造」……「倫理21」の後に出た柄谷先生の主な作品です。
再読するとなれば、そのすべてが「新鮮」なんだろうな……そう思いました。
